
一般的な保険相談とは?
リサイクル法の施行や相前後して成立した改正廃棄物処理法に対応して、業界では製品が環境に与える影響を設計段階から評価し、再資源化、処理の容易化を図る方針だが、破砕して金属以外はダスト、という処理方法に頼っていては環境低負荷化が格段に進むとは思えない。
さらに大きな規模で同様の問題をかかえているのが廃車である。
家電ほどプラスチックによる金属の代替は進んでいないが、それでも破砕後に残るダストは、重量比で30パーセントを占める。
いまや、わが国で廃車になる台数は年間約5百万台。
発生するダストはざっと100万トンだ。
その3分の1がプラスチックだとしても35万トン。
一部に熱源として利用している例があるものの、この最終処分も埋立てである。
91年秋ごろから、プラスチック製バンパーのリサイクルに踏みきるメーカーが増えてきたが、改正廃棄物処理法、リサイクル法への業界としての対応は、プラスチック部品に物質名を示すマークを入れようという程度で、いまのところあまり積極的ではない。
廃プラスチックの有効利用という点から見ると、大型電機製品や自動車は、プラスチックをダストという形で出さない処理法を探すべきだと思う。
冷蔵庫やカークーラーに使われているフロンのことを考えるとただちに着手するのが望ましいが、それでもなおすぐには実現しそうにないことを承知で言えば、組立てラインに対応する解体ラインを設けてパーツに戻し、それぞれにふさわしいリサイクルを考える必要があるのではないか。
自社工場でやるにしる解体業者と契約するにしろ、この方法を採用すれば当然コストがかさむ。
不法遺棄される廃車の処理費を自治体に提供するのとは桁違いの出費だ。
その分を販売価格に上乗せすれば過剰な購買行動を抑制する効果があるはずだが、メーカーはもちろん、大多数のユーザーも賛成してくれそうではないな。
だとすると、とりあえずダストの有効利用法を探すべきだが、そんなものがあるだろうか。
大物といえば、もう一つ厄介な大物がある。
海の粗大ゴミとも称されるFRP製の漁船、遊漁船、プレジャーボートだ。
70年代から普及しはじめたFRP船の耐用年数は約二十年、80年代末からそろそろ廃船が出始め、91年初頭に、すでに3千隻を超す廃船が放置されていると報告され、断裁後に不法投棄されるケースも出てきた。
この場合、プラスチック(熱硬化性の不飽和ポリエステル)もさることながら、短いガラス繊維が生態系に逸出するのが困る。
なにしろFRP船は登録されている漁船だけで312万隻、今後は毎年一万隻のオーダーで廃船が出る。
プレジャーボートについては数もよくわからない。
いまのところ、ごく一部が専門業者によって断裁・焼却、ガラス繊維は埋め立てられているが、一隻について約30万円の処理費用を惜しみ、登録番号を消して放置したり、破砕して不法投棄する不心得者がいるわけだ。
4国工業技術試験所は、このFRPに水蒸気を通して加熱分解、プラスチックは重油状の燃料、ガラス繊維は多孔質ガラスとして取り出す方法を開発したが、コストなどの点でまだ決め手とは言えないらしい。
日本の海岸線を廃FRP船の墓場にしないために、早急に有効な処理法が見つかることを望みながら、しばらくは事態を見守るしかなさそうだ。
あるいは開き直るか。
漁港に隣接して廃船の墓場があるのも、無常感があっていいじゃん、と。
リサイクルもまた廃棄物を生産するマスメディアが扱うエコロジー論議は、よくて玉石混清、たいていは石ばっかりが相場だが、「T新聞」が毎週月曜、「首都圏TODAY」と題して組んでいる2ページものには、ときどき玉が混じっている。
なかでも91年4月29日の「リサイクルでも残る廃棄物」というアルミニウム再生についてのレポートは出色だった。
実際にアルミ地金を再々生する現場からの投書が企画のきっかけになっているのだから、当然といえば当然ではあるのだが。
アルミニウムは、ボーキサイトと呼ぶ鉱石から溶融電解して析出する。
この溶融電解に一トン当たり約一万3000キロワット時の電力を要するのが「アルミは電力の塊」と称される所以だ。
アメリカについで世界第二位、年間二60万トンというアルミ消費国の日本は、ボーキサイトを産せず、かつては輸入鉱石からの精錬をかなりの規模で行なっていた。
だが、オイルショック後の電力料金高騰のために激減し、いまや微々たるもの、3分の2を輸入、3分の一弱を再利用でまかなっている。
そのアルミニウムは、新地金から鋳造される際も、回収されたアルミ製品から地金を再生する際も、ドロス(津)と呼ばれる残澄を出す。
ドロスには、まだアルミニウムを含むので、これを原料として地金を2次再生する企業があり、投書の主は二次再生業では国内最大手という会社の常務であった。
同社は月3000トンのドロスを処理するが、40パーセントの1200トンが廃棄物になる。
従来は専用処分場に投棄するのと、業者に最終処分を依頼するのと2本立てでやってきたが、専用処分場の新設が住民の反対でできなくなり、全面的に業者に依頼しなければならなくなった。
処分の費用は1トン当たり3万円以上、このままではやっていけなくなる。
ドロスのアルミ含有率が高ければ2次再生の効率がよくなり廃棄物が減るので、一次のほうであまりアルミを搾りきらないようにしてもらえないだろうか、というのが投書と記者に対する談話の趣旨である。
アルミニウムの再生に要する電力は、ボーキサイトから精錬する場合の3パーセント、いったん「電力の塊」として取り出したら、ムダに廃棄せず何度でも循環させるべきであることは論をまたない。
ところが、その再生利用を担う現場でこんな問題が起きていたのだ。
リサイクルもしょせん「姑息な」危機引延ばし策だという私の説が、思わぬところで立証されてしまった。
だからといって、もちろんうれしいわけではない。
ついでにもう一つ「T新聞」の記事を紹介しよう。
91年9月25日夕刊のコラム「微風」欄である。
「形骸化したリサイクル」と題したその短い記事は、中央防波堤の最終処分場に分別回収したらしい大量の空缶が捨てられていたという目撃談に加え、企業が環境保護に協力する姿勢を示すため紙ゴミや空缶を分別して集めても、結局まとめて廃棄される実態を報じている。
もうポーズはたくさん、必要なのはシステムだとくりかえし述べてきたのは、こういう現実があるからだ。
さて、本章のテーマは、人類はプラスチックと共生できるか、というものであった。
結論はもう明らかだと思うが、プラスチックだけを問題にし、廃プラスチックをうまく処理できるかを問うのであれば、熱源として徹底回収するシステムが整備されるなら、かなり長期にわたって共生できるだろう。
しかし、真の問題はそこにはないのだ。
問いはこう設定されるべきである。
はたして人類は、プラスチックの母である石油と共生できるのか。
キーワードは〈快感〉であるラットが二つのペダルのどちらかを選べるようにして、一方を踏めばエサ、他方を踏めば脳内に植え込まれた微小電極から快感(報酬)系への刺激が得られるような装置を用意する。
この中に空腹のラットを放すと、ラットは生存のために必要なエサを我慢してまでも脳への刺激を求め続ける。
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